”ろく”と話した沢山のこと。

最後の一日。

 

自力で起き上がることが出来なかった”ろく”の横で

向き合って寝そべって過ごした一日。

 

野良だった”ろく”は

ねこもりや家に、ある日突然現れ、

ねこもりやの部屋の網戸にへばりつき、

懸命に

「入れて~!入れて~!!」と鳴き続けた。

 

ねえ、ろく。

ろくはなぜうちにやってきたの?

なぜこの家(うち)を選んでくれたの?

ろくはほんとにお利口さんで

トイレもすぐ覚えたね。

”ろく”が卵を産んだとき

それはそれは驚いたけど

思えば、あの頃は

ほんとにやせっぽちだったね。

目の悪い”さば”に、すごく優しくしてくれたよね。

小さくて甘えん坊で、おまけに暴れん坊の”ちゅら”を

一生懸命、面倒見てくれたね。

まるで、ほんとのお母さんみたいにね。

目の綺麗な優しいろく。

真っ黒でつやつやで賢いろく。

うちを選んでくれてありがとね。

幸せをくれてありがとう。

 

「生きているのが不思議なぐらいの(検査の)数値」と

先生。

 

よく頑張ったよね、ろく。

 

ろく、もう頑張らなくていいよ。

 

少し雨交じりのお天気だったけど

抱っこして

大好きだった外に連れていくと

とても嬉しそうだったね。

 

もう頑張らなくていいよ、ろく。

 

”ろく”と向き合って

”ろく”と初めて出会った日のように

かわるがわる瞬き(まばたき)でのおしゃべり。

 

こんなに

ゆっくり二人きりでおしゃべりしたのは初めてだったかもね、ろく。

 

ろく、一緒に過ごしてくれてありがとね。

生まれ変わったら、またうちに来てね、ろく。

愛してくれてありがとう

ろく。

ろくの怪しい視線 壺猫、ろく

「ろく」と「ちゅら」

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